行政書士

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士業に格差はない(2)

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前ページのつづきです。

行政書士の限界と、行政書士ならではの可能性

このような法的問題が持ち上がった場合、一見行政書士は無力のように見えるかもしれません。というのも、弁護士などとは異なり、行政書士は代理交渉をすることができないからです。

しかし、むしろこのような案件の場合は、弁護士に依頼するよりも行政書士に依頼をしたほうが、よい結果が生まれることがあるかもしれません。恐らく、この案件が「裁判を起こす前提」で弁護士のもとに持っていかれた場合、「勝ち目はない」とのことで一蹴されてしまうことでしょう。実際、この案件に関して言えば、勝ち目はないからです。

しかし、行政書士が関与する、または関与できる案件の多くは、比較的細やかな法的問題が多いため、裁判を起こす程度のものではない案件が多いのです。では、結局この案件はどうなったのでしょうか?

24歳の無謀?な挑戦

引き受けたからはベストを尽くさなければいけません。そのときわたしは弱冠24歳で対応方法も全くわからない状態でした。とにかく、法務局に行って図面を確認し、境界線を確認し、市役所に行ったり道路を管理している市の土木センターに行ったりと、手当たり次第にいろいろとやってみました。

当時はインターネットもいまほど普及していませんでしたので、判例なども本屋で立ち読みをしてはメモをしたものでした。とはいえ、結局過去の判例からはすべてネガティブな結果しか導き出せなかったのです。

一つの発見とそこから生まれた好結果

しかし、調査の末、その町には多くの「市民道路」と呼ばれる道路があることが判明しました。それは実際のところ個人の所有地であるが、年月を通じて多くの人に道路として利用されているので、いわば「みなし公道」のようになっている道路のことであったわけです。

つまり、すべての人が「これは自分の土地だ」と訴え始め、そこをチェーンや柵で敷居始めてしまっては、その町が立ち行かなくなるのが現状であったわけです。これは十分利用できると思ったわたしは、それらの情報をまとめ、万が一、うまく運ばなかったときには、市役所から「勧告する」というかたちで(D)に近所との共有を勧めてもらうとの依頼を市役所側と交わした上で、それら一連の書類をまとめて提出したわけです。結果は、市の「ひとこえ」を依頼するまでもなく、(D)は道路使用料の徴収をあきらめてくれたのでした。

自信と責任感がうみだす「やりがい」

さて、士業に格差はありません。どのような自信と責任感を持って業務にあたれるかにその「やりがい」はかかってくるでしょう。費やした時間や受け取る報酬とは関係なく、味わうことのできる達成感があるのです。

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