ここからは、わたしが行政書士事務所をどのように立ち上げて現在に至っているかをお伝えしたいと思います。行政書士の先生たちの中には立派に事務所を経営されている方が大勢おられますので、わたしの経験を話すのは奥がましいのですが、良くも悪くも実例として皆さんにお伝えできればと思います。
わたしが事務所を開業したのは弱冠20歳のころでした。そもそも、高校時代は通信制の高校に通っていましたが、「肩書きはなくとも生きてはいける」と生意気な信念を持ち、大学には行くつもりもなく高校時代を送っていました。
通信制の学校とは月に2日程度の通学で、あとは自宅での勉強でしたので、アルバイトをしながらギターを弾く毎日を送っていました。高校卒業後はボランティア活動を中心とした生活を行っていましたので、仕事は生活を支える程度のアルバイトでした。ですから、その頃までには行政書士のことはまったく考えもしていなかったわけです。
しかし、どうしても雇用されている立場は弱く、自分の自由がきかないということを実感し、「なにか手に職をつけて自営業ができないものか」と考え始めたことが行政書士試験を受験するきっかけとなったのでした。ですから、行政書士に関してはあまりよく知らずに、なにか自営業が始めることができればなんでもよいだろうという感覚で勉強を始めたのが正直なところでした。
勉強には力を入れました。そのころは掃除や運送のアルバイトなどをしていたのですが、一人で行う仕事であったので、法律概論のテープなどをウォークマンで聴きながら働いたものでした。
無事に試験に合格した後には、右も左も分からぬまま、とにかく事務所を開設しました。その頃は友人と共にアパートに暮らしていましたが、看板を外に出すような場所ではなかったため、結局自分の部屋にしばらく看板を置いたままでの開業でした。
当時はパソコンもいまのように普及していませんでしたので、親から譲ってもらったワープロとリサイクルショップで買った1000円のアタッシュケースが唯一の仕事道具でした。
結局、その後事務所が軌道に乗るまではかなり苦労しましたので、これから行政書士事務所を始める方には、ある程度情報を得て、知り合いにも宣伝してから始めることをお勧めしたいと思います。とはいえ、いずれにしても開業当初から仕事がどんどん舞い込んでくるということはないでしょう。意気込んでも意気込まなくても、結局そのぐらいの苦労は強いられるということです。
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