2つ目の誤解は、「行政書士では食べてはいけない」というものです。確かに、資格を得ただけで自動的に客が寄ってくるわけではありません。確かに資格があればすぐに事務所を開業することはできます。
しかし、ただ顧客が来るのを待っていては、すぐに兵糧を使い果たし、自滅してしまうことになるでしょう。「資格」は必ずしも「仕事」を呼び込みません。「仕事」を呼び込むには「営業」が必ず必要なのです。特に行政書士の場合は、その業種が10000種以上に及ぶため、何ができるのかをアピールする必要があるのです。
では、専業行政書士で食べていくことは可能なのでしょうか?あるデータによれば、開業行政書士のうち、年収が100万円未満である人が40%、200万円未満である人が20%との数字が出ているようです。つまり、60%程度の開業行政書士が200万円未満の年収であるのが現実なのです。
しかし、ここで「行政書士では食べていくのは難しいのだろう」と簡単に決め付けてはいけません。この行政書士の年収データの背後にある現状を知る必要があるわけです。
というのも、すべての行政書士が国家試験を経て行政書士になっているわけではありません。公務員として一定の業務を一定の期間行っていれば、行政書士試験を受けずとも行政書士になることができるのです。それらの開業者は一般に公務員OBの行政書士と言われています。
それらの方々の中には年金に少し足りるぐらいの収入を得るべく、行政書士事務所を開設している人々もいます。実際のところ、行政書士事務所を開設していても、看板を外に出していない人も実に大勢いるのです。
そういうわたしも20歳で行政書士事務所を開業した頃は、事務所を借りる余裕もなく、自宅に看板を出すことも気が引けてしまい、しばらく看板を出さずに過ごしていた時期もありました。そのような意志の弱さで顧客を得ることができるわけはありません。
では、実際のところ、行政書士で食べていくことは可能なのでしょうか。はい、十分に可能です。(次のページへ)
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