まず、社会保険労務士試験には受験するための資格が必要で、受験に何の条件もない行政書士試験と大きく違っています。

受験資格には学歴や実務経験その他の国家試験といったものがあり、その中の一つに、行政書士となる資格を有する者というのがあります。とりもなおさずこれは社会保険労務士資格が行政書士資格より高位の資格であることを指し示しています。

その他にも、司法試験第一次試験又は高等試験予備試験に合格した者というのもあります。これでご理解いただけるように社会保険労務士試験は、予想以上に難関資格であるといえるでしょう。

受験のための制限が設けられている試験であるため、受験する人の多くはある程度の基礎知識を持って学習し、知識の幅をより広げ深めてから試験に臨んでいるものと見られ、合格率は行政書士試験より高くなっています。直近の3年間をみても18年8.5%、19年10.6%、20年7.5%となっており過去10年間にさかのぼっても7～9%程度の合格率を維持しています。合格率だけを見れば行政書士試験よりも取得しやすいように思われますが、行政書士資格を基礎にしてもそう簡単に取得出来るものではないようです。