簡単な書類作成に関していえば資格を持たない人でも行政の担当者に聞きながら作成手続きが出来ます。しかし近年官公署に提出する書類の中には作成に高度の知識を必要とされるものが増えてきています。そういった書類等を正確かつ迅速に作成し、依頼者の権利や利益を守り、行政側の効率的な処理を促すという公共的な側面からもその専門知識が重要視されています。
60問の試験に、求められる専門知識すべてを出題することは不可能です。試験問題はあくまでも行政書士として業務を遂行する際、事案にふさわしい法令や条例ひいては過去の判例など、多くの知識の中から正しいものを選択し、それを正しく用いる能力の有無を問うものです。
試験そのものが役に立つのではなく、試験合格のために一生懸命学習し身につけた知識が、実務において依頼者の信頼を得るための大きな力になるのです。
試験に合格することは最終の目的ではありません。行政書士としての出発点であるということを肝に銘じ、より質の高い業務を目指して研鑽を積む努力も怠ってはなりません。
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